遺言・遺産相続に関する基礎知識
贈与における法人と個人の関係
贈与における法人と個人の関係は、以下の4つの形式に分類することができます。 ①個人から個人への贈与、②個人から法人への贈与、③法人から個人への贈与、④法人から法人への贈与、の4つです。 形式によっては、お金や物をあげた (贈与した)人である「贈与者」と、お金や物をもらった人である「受贈者」の両者とも税金がかかります。 このうち、②個人から法人への贈与 と③法人から個人への贈与について説明いたします。
個人から法人への贈与
財産をもらう「受贈者」である法人には法人税がかかります。財産を時価でもらったことになり、受贈益になるからです。
仕訳は以下の通りになります。 (借)土地 ××× (貸)受贈益 ×××
また、「贈与者」である個人も、財産を時価で渡したとして「みなし譲渡所得課税」がかかります。注意点は、財産をもらった方も、あげた方も、財産を路線価ではなく時価で税金を計算するということです。
「みなし譲渡所得課税」とは、文字どおり譲渡所得があったとみなして、税金をかけるということです。財産を時価で売却し収入があったとみなし、その財産の取得費などを差し引いた所得に対して所得税がかかります。
そのため、含み益がある財産を、法人に譲渡した場合、財産を譲渡した個人にも税金がかかることになります。なお、現金で贈与する場合、含み益がありませんので、「みなし譲渡所得課税」は、かかりません。
法人から個人への贈与
「贈与者」である法人は、財産を時価で渡したとして法人税がかかります。仕訳は以下の通りになります。 (貸)は、時価と取得価額との差額が「評価益」となります。また、(借)は、通常、寄付金になりますが、法人と個人間に雇用関係等があれば「賞与・役員賞与」となります。
(借)寄付金等 ××× (貸)土地 ×××
ma au 評価益 ×××
一方、「受贈者」である個人には、所得税がかかります。法人と個人間に雇用関係(従業員・役員)があれば「給与所得」になり、雇用関係がなければ「一時所得」となります。
以下の表は、4パターンの課税のまとめです。
贈与形式 | 課税 | |
---|---|---|
贈与者 | 受贈者 | |
個人から個人への贈与 | 課税なし | 贈与税がかかる |
個人から法人への贈与 | みなし譲渡所得課税 | 法人税がかかる |
法人から個人への贈与 | 法人税がかかる | 所得税がかかる |
法人から法人への贈与 | 法人税がかかる | 法人税がかかる |
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