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被相続人が介護事業所に入居していても小規模宅地等の特例は適用可能か?
2016/10/02
被相続人が老人ホームで最後を迎えられ、あなたが土地の相続をすることになった場合、小規模宅地等の特例を使えるのでしょうか?
さいたま市浦和区のお客様から「小規模宅地の特例は、被相続人である母親が老人ホームに住んでしまって、同居していなかったら利用できないのか?」とご相談されたので、その説明と他に重要な箇所をまとめてみました。
1.被相続人が老人ホームに入っていても小規模宅地等の特例は使える
被相続人が老人ホームに入っている場合でも小規模宅地等の特例は使えますが、どなたが相続人になるかで使える要件は違います。
それぞれの要件を見ていきましょう。
前提条件
① 被相続人が要介護認定または要支援認定を受けている
② 自宅を賃貸していない
【配偶者の場合】
要件なく特例の適用が受けられます。
【被相続人と同居していた親族】
・相続開始から相続税の申告期限までにその建物に居住
・その宅地を申告期限まで保有している
【被相続人と別居していた親族】
・被相続人と相続人が日本国内に住所を有している
(相続人が日本国内に住所がない場合でも、日本国籍を有していればOK)
・被相続人に配偶者および同居の親族がいない
・相続人や配偶者が相続開始前3年以内に、自身(もしくは配偶者)の所有する家屋に居住したことがない
今回のご相談の場合、2次相続を考慮した場合のことなのですが、2次相続時には相続人が被相続人(母)と別居した場合の質問ですが、同居の親族が他にいるので、小規模宅地等の特例は難しそうな気がします。
2.要支援認定の申請中に相続が発生!小規模宅地等の特例をつかえるのか?
被相続人が、要支援認定の申請中であった場合でも小規模宅地等の特例は適用可能です。
これは、さきほど述べた前提条件「① 要介護認定または要支援認定を受けている」に反しているようにみえます。
しかし、市町村が許可する要支援認定は申請日から認定開始が認められています。
相続発生後に要支援認定が認められれば、相続開始前に要支援認定を受けていたとみなされるため小規模宅地等の特例の適用が可能なのです。
3.2世帯住宅に住んでいた被相続人が老人ホームに入っていた場合は小規模宅地等の特例を使えるのか?
2世帯住宅の場合でも小規模宅地等の特例の適用は可能です。
適用条件は、2世帯住宅での要件と同じです。
4.注意!相続前に自宅を“どう使っていたか”で特例が使えなくなることも
被相続人が老人ホームに入居している間、住まれていた自宅を誰が・どう使っていたかによって、小規模宅地等の特例が使えないことがありますので、十分に注意が必要です。パターンに分けてご説明していきます。
小規模宅地等の特例が使える場合
被相続人が居住していた建物を離れて老人ホームに入所したような場合には、一般的には、それに伴い被相続人の生活の拠点も移転したものと考えられます。しかし、個々の事例のなかには、その者の身体上又は精神上の理由により介護を受ける必要があるため、居住していた建物を離れて、老人ホームに入所しているものの、その被相続人は自宅での生活を望んでいるため、いつでも居住できるような自宅の維持管理がなされているケースがあり、このようなケースについては、諸事情を総合勘案すれば、病気治療のため病院に入院した場合と同様な状況にあるものと考えられる場合もありますから、一律に生活の拠点を移転したものとみるのは実情にそぐわない面があります。
そこで、被相続人が、老人ホームに入所したため、相続開始の直前においても、それまで居住していた建物を離れていた場合において、次に掲げる状況が客観的に認められるときには、被相続人が居住していた建物の敷地は、相続開始の直前においてもなお被相続人の居住の用に供されていた宅地等に該当するものとして差し支えないものと考えられます。
(1) 被相続人の身体又は精神上の理由により介護を受ける必要があるため、老人ホームへ入所することとなったものと認められること。
(2) 被相続人がいつでも生活できるようその建物の維持管理が行われていたこと。
(3) 入所後あらたにその建物を他の者の居住の用その他の用に供していた事実がないこと。
(4) その老人ホームは、被相続人が入所するために被相続人又はその親族によって所有権が取得され、あるいは終身利用権が取得されたものでないこと。
②老人ホーム入居前から親族がずっと住んでいる
小規模宅地等の特例を使えるけど減額率が下がる場合
①自宅に親族以外の方が住んでいる場合
老人ホームに入居中、自宅を貸付している場合、特例は使えますが減額率は下がります。
なぜ減額率が下がるかというと、自宅を貸すことは小規模宅地等の特例のなかの貸付事業用宅地にあたるためです。
貸付事業用宅地とは“適正な賃料(世間相場)”で貸し付けていれば、貸付事業用宅地として200㎡まで50%の評価減が可能になる特例です。
特に、いつからかしていなければいけないという貸付期間の制限はありませんが、最低現、相続税の申告期限まで貸し続けている必要があります。
相続開始の年に被相続人から贈与を受けた宅地に係る小規模宅地等の特例の適用の可否
2016/06/01
平成○年中に甲は父から貸家建付地の敷地(276)の持分2分の1の贈与を受けましたが、同年中に父が死亡しました。
この場合、その贈与により取得した土地の価額は贈与税の課税価格に算入されずに、相続税の課税価格に加算されることになります(相法19)が、この土地について小規模宅地等の特例を適用する場合には、甲が贈与を受けた持分に対応する面積を含めて200まで適用することができると考えて差し支えありませんか。
(注) 甲は父から遺産を相続しています。
<回答>
小規模宅地等の特例が適用される財産は、個人が相続又は遺贈により取得した財産に限られています(措法69の4)。
したがって、甲が贈与を受けた土地の持分は相続又は遺贈により取得したものではありませんから、その贈与を受けた財産の価額が相続税法第19条の規定により相続税の課税価格に加算されたとしても、その贈与を受けた財産については小規模宅地等の特例の適用はありません。
また、甲が贈与を受けた土地の持分について相続時精算課税を適用する場合も、その土地の持分は相続又は遺贈により取得したものではありませんから、その贈与を受けた財産については小規模宅地等の特例の適用はありません。
相続時精算時課税を利用すると、家賃収入等の収入が贈与者に帰属するので、先に移転するメリットはあるのですが、いざ相続開始となると小規模宅地等の特例を利用できないデメリットもあることも考える必要がありますね。
宅地を共有相続した場合の小規模宅地特例等の取扱い
2013/12/09
小規模宅地の特例等の要件を満たす相続人と、要件を満たさない相続人が共同で同一の宅地を相続した場合、
同一の宅地等を共有で相続等により取得した場合には、
それぞれの取得者ごとに適用要件を判定し、個別に適用できるかどうか判断することになります。
僕が税理士になる前は、一人でも該当者がいれば、共有者についても小規模宅地の特例等の取り扱いが認められていたみたいですね。
小規模宅地は、次回も改正されますが、今度は基準が緩くなりますね。
埼玉県さいたま市(さいたま) 相続税 税理士 http://souzoku-ts.com/knowledge.html
小規模宅地等の減額特例制度の利用状況
2013/11/29
小規模宅地等の特例は、居住用か事業用でないと認められないので、注意が必要です。
例えば、転売目的等で取得した場合は、該当しません。
なぜなら、居住者の住む場所を確保と事業の継続税を維持させることが、当該特例の目的だからです。
今回は短いですが、重要なことだと思います。
埼玉県さいたま市(さいたま)相続税 税理士 重松 http://souzoku-ts.com/
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