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相続税評価時の広大地の判定条件
2016/06/07
広大地の判定条件には下記の3要件があります。
- 地域における標準的画地に比べて著しく地籍が大きいこと
- 戸建分譲住宅素地であること
- 開発行為を行う場合に道路・公園等の公共公益施設用地の負担が必要なこと
そこで広大地判定の3要件について詳しく検討いたします。
1.地域における標準的画地に比べて著しく地籍が大きいこと
標準的画地とは、
通達や「情報」にはその物件を含む地域の標準的画地が○○㎡とはありません。鑑定評価では対象土地を含む同質的価格形成要因を具備する近隣地域と相続税路線価評価では状況類似地域一定の地域として捉えその地域でもっとも標準的な画地を設定しています。
例えば低層住宅地域であれば一画地の規模が約120㎡の低層住宅地、ミニ住宅地域であれば一画地の規模が約80㎡の低層住宅地である。土地利用が一元化していれば標準的な用途がはっきり確定できますが住宅、工場、アパート等が混在する地域の標準的な用途の判定は難しいです。
その判定はその地域の土地利用がもっとも多い利用で工場から住宅地域に移行している地域であれば住宅地域として取り扱い更にその住宅地の標準的使用(形状・規模・用途)を判定しなければなりません。
著しく地籍が大きいとは、
上記の標準的画地の地積に比べ著しく地積が大きいとは具体的にどういうことなのか。大きいとは相対的に捉えることになるが、通達・情報では下記の面積以上と記載されています。
市街化区域 | 三大都市圏 | 500㎡ |
同上 | それ以外の地域 | 1000㎡ |
非線引都市計画区域 | 用途指定なし | 3000㎡ |
同上 | 用途指定あり | 市街化区域に準じた面積 |
例外
上記のとおり三大都市圏の市街化区域であれば広大地は500㎡以上がの面積が必要ですが例外規定として500㎡未満であっても、ミニ開発分譲が多い地域に存する土地については広大地として認められる可能性があります。
税務当局は、客観的である面積基準を目安として判断してきますので注意が必要です。
(広大地の留意点1)
区画割するに当たり、最も経済的かつ合理的に区画すること
(広大地の留意点2)
広大地修正が出来るようになり、開発想定図は原則として添付要件ではなくなりました。しかし税務当局の認定を受けやすくするには開発想定図は添付した方がよいです。
2.戸建住宅用素地であること
ここで一番問題となってくるのは、周辺の利用状況から、その土地の最有効使用が戸建住宅用地かマンションか否かの判断が困難な場合です。
国税庁や税務署では、「周辺の状況や専門家の意見等からして判断して明らかにマンション用地として適していると認められる土地を除き、戸建用地として判断しても良い」といっています。
現実には明らかにマンション用地として判定できない土地が多いから悩む訳です。何んとなく中途半端な見解ですから税理士さん等の申請者は敢えて税務当局と争いたくはありませんから安易にマンション用地と判断し、広大地減価をしないケースもあるのです。
この判断如何によって相続土地の課税評価額に差異が生じ結果的に納税額に影響しているのです。
広大地の判定に悩む場合は、会計士・税理士だけでは不十分なことも考えられるので、依頼者である相続人に相談して、不動産鑑定評価代金も別途報酬として支払ってもらうように依頼したほうが、お互いのリスクが軽減できるかと思います。
3. 開発行為を行う場合に、道路、公園等の公共公益施設用地の負担が必要なこと
公共公益施設用地の負担の必要性については次のように示されています。
「経済的に最も合理的に戸建住宅の分譲を行った場合の当概開発区域内に開設される道路の開設の必要性により判断することが相当である。」
中途半端な調査、分析では広大地としての判定は得られません。本来は 広大地にも係わらず広大地減価の適用をしないで申告してしまった場合の担当税理士さんへの信用不信、最悪の場合は損害賠償等のリスクが課せられてしまいます。
これを防ぐには、その道の専門家である不動産鑑定士にその地域を調査してもらい広大地判定意見書を発行してもら いその上で税務当局と交渉してもらうことです。
今まで広大地の案件はないですが、面積で該当しそうになった場合には、土地の評価は日税サービスの土地評価サービス部門か知り合いの鑑定士に頼むのがよさそうです。相続税の申告の納税額が大きくて、3億円以上の納税額を全額支払えという判決がでてしまったので、少し間違えたことを考えるといくら税理士保険に加入しているとはいえ、リスクが高いので、慎重にやらないとまずいですね。
自由が丘税理士法人 重松輝彦
率地域の雑種地の評価
2016/03/29
倍率地域の相続税評価は、固定資産税評価額に倍率をかけて終わり思われる場合があるかと思います。
固定資産税評価証明書の課税地目に“雑種地”と書かれている場合。課税地目が“宅地”であれば、宅地に対応する倍率をかけて相続税評価を求めることができます。ただ、課税地目が雑種地の場合には、その雑種地に対応する倍率は通常用意されていません。
そのため、市区町村へ電話し、”近傍宅地の評価額“を聞き、その較差割合を調整した上で、その評価額に倍率をかけて相続税評価を計算することが必要となります。
自由が丘税理士法人 重松輝彦
高圧線下の土地の相続税評価
2014/05/07
高圧線下の宅地の場合は、その建築制限内容によって、30%以上の土地評価減額が可能です。
なお、高圧線の架設を目的とする地役権の場合、建築制限内容の判定は、電力会社等との契約内容ではなく、「電気設備に関する技術基準を定める省令」によって判断されます。
、地役権に関する登記関連情報、図面取得の他に、高圧線管理者から、使用電圧及び高圧線までの高さを調査、聴取する必要があります。
区分地上権は、登記されている場合とされていない場合があります。
公図からも読みとれませんので、現地で上空を見渡して確認することが必要です。
線下の土地所有者と電力会社の間で結ばれている契約に基づき、制限内容を確認しますが、不明な場合は、鉄塔に掲示されている鉄塔番号札を確認し、電力会社に利用制限内容、離隔距離などを問い合わせます。
「区分地上権に準ずる地役権の評価」(財産評価基本通達27-5)を参考として記載します。
区分地上権に準ずる地役権の価額は、その区分地上権に準ずる地役権の目的となっている承役地である宅地の自用地としての価額に、その区分地上権に準ずる地役権の設定契約の内容に応じた土地利用制限率を基とした割合(以下「区分地上権に準ずる地役権の割合」という。)を乗じて計算した金額によって評価する。 この場合において、区分地上権に準ずる地役権の割合は、次に掲げるその承役地に係る制限の内容の区分に従い、それぞれ次に掲げる割合とすることができるものとする。(平3課評2-4外追加、平6課評2-2外・平12課評2-4外改正)
(1) 家屋の建築が全くできない場合 100分の50又はその区分地上権に準ずる地役権が借地権であるとした場合にその承役地に適用される借地権割合のいずれか高い割合
(2) 家屋の構造、用途等に制限を受ける場合 100分の30
埼玉県さいたま市大宮 相続税専門 税理士 http://souzoku-ts.com/
角地で二つの路線価がある場合の、相続税による宅地評価
2013/12/08
角地で、路線価が二つある場合、どちらの路線価を利用すればいいのか分からなくなりそうですよね。
二つの路線に面している宅地の正面路線価は、
原則として、
その宅地に接する路線価の奥行価格補正率を乗じて計算した金額の高い方の路線を正面路線価とします。
相続税の支払額がその分高くなるので、政策としてはそうなるんでしょうね。
埼玉県さいたま市(さいたま)相続税 税理士 重松 http://souzoku-ts.com/
小規模宅地等の減額特例制度の利用状況
2013/11/29
小規模宅地等の特例は、居住用か事業用でないと認められないので、注意が必要です。
例えば、転売目的等で取得した場合は、該当しません。
なぜなら、居住者の住む場所を確保と事業の継続税を維持させることが、当該特例の目的だからです。
今回は短いですが、重要なことだと思います。
埼玉県さいたま市(さいたま)相続税 税理士 重松 http://souzoku-ts.com/
相続税評価で評価減できる土地に、墓地が隣接する土地は該当するか?
2013/11/06
相続税の土地の評価について、付近にある他の宅地の利用状況からみて、著しく利用価値が低下していると認められる部分がある宅地の価額は、その利用価値が低下していると認められる部分の面積に対応する価額を10%減額して評価することができます。ただし、路線価又は倍率が利用価値の著しく低下している状況を考慮して付されている場合には、この減額を斟酌することはできません。 なお、利用価値が著しく低下している宅地とは、次の宅地をいいます。
(1) 道路より高い位置にある宅地又は低い位置にある宅地で、その付近にある宅地に比べて著しく高低差のあるもの
(2) 地盤に甚だしい凸凹のある宅地
(3)震動の甚だしい宅地
- (例) 線路脇にある宅地
(4)以上の宅地以外の宅地で、騒音・日照阻害・臭気等により、その取引金額に影響を受けると認められるもの
(例) ごみ焼却所の隣地にある宅地
(4)の内容の範囲に該当する宅地で、所有宅地の道路向かい側が墓地となっている土地がありました。この土地もいわゆる忌み等に該当する宅地として10%評価減の適用が認められました。
埼玉県さいたま市 相続税 税理士 http://souzoku-ts.com/
無道路地の評価
2013/10/25
道路に面していない宅地を無道路地といいます。道路に面していないと建築基準法などの法令において建物を建設することはできません。
そのため、通常の不整形地の評価減の計算よりも評価を下げる計算方法が用いられています。
他人の土地に囲まれていても、その他人の土地に通行の用に供する権利を設定している場合は、無道路地になりません。
また、道路に接していても接道義務を満たしていない宅地も無道路地と同様の評価を行います。
この接道義務とは、建築基準法その他の法令において規定されている建築物を建築するために必要な道路に接すべき最小限の間口距離の要件をいいます。
無道路地の価額は、不整形地としての補正を行った後の価額から、無道路地としての斟酌額(不整形地の補正を行った後の価額の100分の40の範囲内において相当と認める金額)を控除して評価します。
さいたま市 相続税 税理士事務所 http://souzoku-ts.com/
親族の建物が建って地代を受け取ってない場合の土地の相続税評価額
2013/10/19
自用地価額により評価します。
このような場合を使用貸借といいますが、土地を無償で利用していることに問題がないか、疑問に思われるかと思います。
例えば、親子間で使用貸借の場合ですと、昔は、子供が親の土地をただで使っており、借地権の贈与が子供にあったとして、贈与税が課税されていました。 しかし、親の土地に子供が無償で家を建てることが社会一般で行われ、税法が社会の実情にそぐわなくなり、取扱いが変更されました。 現在では、固定資産税程度の支払いや、無償の場合には使用貸借として、贈与税は課税されないことになっています。 なお、建物が賃貸アパート・マンションなどであっても、名義が子供名義の場合には、貸家建付地としての評価減は受けられず、自用地価額での評価になります。
さいたま市の相続税の税理士 重松 http://souzoku-ts.com/
角地と準角地について
2013/09/10
「角地」は、2つの道路が交差する角に位置しますが、一つの道路が折れ曲がって(L字型のような形で)角地になっているものを「準角地」といいます。
相続税等を算出する際の評価額の計算においては、「角地」と「準角地」で、加算率が異なることから評価額にも違いが生じるので注意が必要です。
さいたま市の相続税 税理士 重松 http://souzoku-ts.com/
土地の評価では、現地調査は必須業務
2013/09/10
相続では、財産の「評価を下げる」ことが課税額を減らすことにつながります。
特に土地の評価によって相続税額は大きく変わるため、綿密な現地調査が必要になります。
現地調査では、相続人の方々にも同行してもらい、土地の評価減の要素を共有することができます。
さいたま市の相続税 税理士 重松 http://souzoku-ts.com/
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