スタッフブログ
相続や贈与によって取得した土地・建物を売却する場合の取得費等について
2017/05/17
さいたま市で不動産業をしているクライアント様から質問を受けて、国税庁のHPを調べました。
譲渡所得の金額は、土地や建物を売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。
取得費は、土地の場合、買い入れたときの購入代金や購入手数料などの合計額です。
建物の場合は、購入代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた額です。
売った土地建物の中には相続や贈与により取得したものもあります。この場合の取得費は、死亡した人や贈与した人がその土地建物を買い入れたときの購入代金や購入手数料などを基に計算します。
なお、業務に使われていない土地建物を相続や贈与により取得した際に相続人や受贈者が支払った登記費用や不動産取得税の金額も取得費に含まれます。
(注)取得費が分からない場合などには、取得費を売った金額の5%相当額とすることができます。取得費が分かっていれば売却益がでない場合でも、取得費が分からないと絶対に売却益が発生してしまいます。
ただし、この場合には、相続人などが支払った登記費用などを取得費に含めることはできません。
取得の時期は、通常、売った土地建物を買い入れた日ですが、相続や贈与で取得したときは、死亡した人や贈与した人の取得の時期がそのまま取得した人に引き継がれます。
したがって、死亡した人や贈与した人が取得した時から、相続や贈与で取得した人が譲渡した年の1月1日までの所有期間で長期か短期かを判定することになりますが、一般的に考えると被相続人が亡くなる数年前に不動産を購入することはそんなにないかと思うので、一般的には長期になる場合が多いと思います。
自由が丘税理士法人 重松輝彦
相続後の空き家対策の税金対策について
2017/04/18
平成28年度税制改正大綱に相続空き家に対する政策税制が記載されました。総務省統計局によれば、平成25年の空き家率(空き家/総住宅数)は13.5%。その割合は統計開始以来右肩上がりで上昇しています。実際にさいたま市でも少し駅から離れると空き家になっている家が見受けられます。私が相続税申告した物件もまだ空き家のままのようです。
既に施行されている固定資産税に関する「特定空き家」制度によって、固定資産税が最大6倍にもなるリスクも気になるところではないでしょうか。さらには、火災の発生や建物の倒壊、衛生面や景観面での悪化等、多岐にわたる問題が生じた場合に管理者責任を問われることも心配です。
空き家についてはいろいろ悩みはあるものの、売却した場合、通常の譲渡所得税(多くの場合は売却価格の約20%)が課税され、現行の税制が相続空き家に対する有効活用の足かせになっていた感は否めませんでした。
税制改正の施行時期、他の各種特例との選択適用又は重複適用の措置、適用要件を証明する添付書類の種類等々については現時点では詳細が明らかになっていませんが、平成28年度税制改正大綱の中で判明している点について解説したいと思います。
【改正案の要点】
相続した被相続人の居住用不動産であった物件を譲渡した場合、「一定の場合」には3000万円の特別控除が適用できます。
【条件】・ 家屋 昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建物は除く)であること。かなり古い一戸建てということですので、マンション等は認められません。・ 居住要件 相続開始直前において被相続人の居住用であり、かつ、被相続人以外に居住していた者がいないことなので、賃貸に出されていた物件は今回の改正から除かれるということです・譲渡時 相続開始日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡することなので、早めの対策が必要です。
相続財産の空地特別控除3千万円とマイホーム売却による譲渡損失が同じ年度に適用できるのか?
2017/04/04
譲渡した年の前年または前々年において行った資産の譲渡について繰越控除の特例を適用して相続財産の特別控除の適用を受ける場合には特別控除を利用することはできず、逆に譲渡損失の繰越控除を相続財産の売却による特別控除を受ける前年または前々年において適用された場合には、譲渡損失の繰越控除の特例を利用することはできない。
ということは、相続財産の売却による特別控除とマイホームによる売却の繰越控除の特例は、同じ年度に行われれば両者を同時に適用することができるということとなる。とすれば、相続財産の売却による収入は特別控除の3千万円を利用して、給与所得等の所得と譲渡損失の特例で損益通算ができれば、還付税金も多くなると思ってしまう。
しかし実際は譲渡損失の繰り越し分は、まず他の譲渡により発生した所得と相殺することになりますので、今回の場合ですと、土地の売却による所得と譲渡損失を相殺してさらに譲渡所得が残っていれば、特別控除が利用できるのです。
従って、両者を併用できるといえども、実際は両社の併用は難しいということなのです。
弊社のさいたま市のお客様の場合、不動産会社の顧問税理士に相談して両者を適用できると確認して、相続財産を売却した同じ年度にマイホームを売却して新しい自宅を購入したのですが、特別控除が利用できなかったので、百万円以上の還付税金を逃してしまいました。ただ、どうせ新しい自宅は購入予定だったと思うので、いずれにしても適用できなかったのかなは思う。
自由が丘税理士法人 重松輝彦
個人株主が非上場株式を売却した場合の税務上の処理
2016/02/12
弁護士先生のご紹介で、川口市のお客様から相続により取得した非上場株式を当該株式の発行会社に売却する場合の処理の相談を受けましたが、一般的には単なる株式譲渡と変わらず分離課税の譲渡所得として考えられそうですが、当該事例の場合は配当所得となるので、その説明を事例により説明いたします。
同族会社 (大宮) の個人株主(浦和氏) は、所有する大宮の株式 (非上場株式) を
① 個人株主(川口氏) ② 発行法人である会社 (大宮) どちらかに売却しようと思っています。
この場合、売却する相手により、個人株主(浦和氏) の税金に違いがでるのでしょうか。
同族会社(大宮)←売却② 浦和氏 売却①→ 個人株主(川口氏)
① 川口氏 に売却する場合 株式等の売却は譲渡所得となり、収入 – ( 取得費 + 譲渡費用 ) に国税 15%、地方税 5% (申告分離 : 他の所得と区分して計算)が課税されます。
② 発行法人である同族会社 (大宮) に売却する場合 同族会社 (大宮) からみると、資本の払い戻しと考えられ、資本金等に対応する部分と利益積立金額に対応する部分に分けられます。 すなわち、売却価格 = 資本金等 + 利益積立金額 となります。
☆ 資本金等に対応する部分は、売却した株式数 × 資本金等の額 / 発行済株式数で計算されます。
浦和氏 からみると、 資本金等に対応する部分は (取得費の控除後が) 譲渡所得、利益積立金額に対応する部分は配当とみなされ配当所得 (総合課税 : 他の所得と合算して計算) として課税されます。
配当所得は、配当控除を受けることができますが、他の所得とあわせて累進税率で課税されるため、高い税率になることもあります。
なお、相続又は遺贈により財産を取得して相続税を課税された人が、相続等で取得した非上場株式を、相続の開始があった日の翌日から相続税申告書の提出期限の翌日以後3年以内に発行法人である会社に売却した場合は、配当所得とはみなされず、全額 、譲渡所得となります。 http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1477.htm
このように、売却する相手が個人か会社 (発行法人) かにより税金の種類が異なります。 譲渡所得の場合、申告分離課税 (国税 15% ,地方税 5%) ですが配当所得の場合、総合課税 (国税、累進税率 5%~40%) となり売却額によっては手取りにかなり違いがでてしまいます。
自由が丘税理士法人 代表税理士 重松輝彦
相続や贈与によって取得した資産の取得の時期
2016/01/19
取得の時期は、通常、売った土地建物を買い入れた日ですが、相続や贈与で取得したときは、死亡した人や贈与した人の取得の時期がそのまま取得した人に引き継がれます。
したがって、死亡した人や贈与した人が取得した時から、相続や贈与で取得した人が譲渡した年の1月1日までの所有期間で長期か短期かを判定することになります。
長期か短期かの判定期間は5年で、5年間超ですと長期で、5年以内だと短期となります。
自由が丘税理士法人 代表税理士 重松輝彦
相続や贈与によって取得した資産の取得費
2016/01/18
今回依頼受けたさいたま市浦和区の土地の譲渡についての確定申告で、土地の簿価が気になったので調べてみました。
譲渡所得の金額は、土地や建物を売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。
取得費は、土地の場合、買い入れたときの購入代金や購入手数料などの合計額です。
売った土地建物の中には相続や贈与により取得したものもあります。この場合の取得費は、死亡した人や贈与した人がその土地建物を買い入れたときの購入代金や購入手数料などを基に計算します。
なお、業務に使われていない土地建物を相続や贈与により取得した際に相続人や受贈者が支払った登記費用や不動産取得税の金額も取得費に含まれます。
自由が丘税理士法人 税理士 重松輝彦
相続により取得した株式を譲渡した際の取得費
2016/01/18
今日は、さいたま市大宮区桜木町の弁護士事務所に紹介していただいた依頼者に相続により取得した株式と土地の譲渡についての相談を受けました。
さいたま市も午前中は大雪でしたが、お昼から雪もやんでよかったです。
株式等を譲渡(売却)した場合の譲渡所得の金額は、譲渡価額(売却金額)から取得費(取得価額)と売却手数料等を差し引いて計算します。
取得費(取得価額)は、株式等を取得したときに支払った払込代金や購入代金ですが、購入手数料(購入手数料に係る消費税も含まれます。)のほ か購入時の名義書換料などその株式等を取得するために要した費用も含まれます。
払込みや購入以外での株式等の主な取得原因とそれに係る取得費は次のとおりです。
- 相続(限定承認を除きます。)、遺贈(限定承認を除きます。)又は贈与により取得した場合
・ 被相続人、遺贈者又は贈与者の取得費を引き継ぎます。
自由が丘税理士法人 税理士 重松輝彦
代償分割があった場合の相続税の取得費加算の計算方法
2014/07/07
相続人Aが相続財産の土地を取得して、相続人Bに代襲分割として代償金を支払った場合、その後土地を売却した場合に、相続税をどれだけ取得費にかさんできるかが問題となってくる。
計算式だけを覚えておくのが一番いいかと思うので、計算式を以下に記載する。
相続人Aに相続税×(売却する土地の相続税額-支払代償金×売却する土地の相続税額/相続人Aの課税価格+支払代償金)
相続人Aの課税価格
という式により、所得費に加算できる相続税額を算定できます。
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