スタッフブログ
相続税を納付すると来期の住民税や国民健康保険の金額も増えるのか?
2016/10/23
相続で得た財産は、相続税では課税対象ですが、所得税法上非課税です。
手元の現金などが増えるのですから、明らかに収入ではありますが、所得税は課税しない(非課税)と所得税法第9条で規定されてます。
所得税法で非課税ということは、住民税や国民健康保険にも影響を及ぼさないので、相続税を納付したとしても、翌年の住民税や国民健康保険が増えるとということはありません。
遺産分割協議書作成時に必要となる印鑑証明書に有効期限はあるのか?
2016/10/17
さいたま市浦和区のお客様に質問されているのですが、その回答をいたします。
結論から先に言うと、遺産分割協議書に添付する印鑑証明書には有効期限は定められていません。
これは、遺産分割協議書を作成し、相続人全員から印鑑証明書の提出を受けたとしても、その後、すぐに相続登記手続きができるとは限らないことから考えても当然だといえます。
そもそも、遺産分割協議書に実印で押印し印鑑証明書を提出した時点で、遺産分割協議に合意していることは明らかなのですから、時間が経ったからといってその合意が無効になるものではありません。
たとえば、10年前に遺産分割協議が成立した際、遺産分割協議書を作成して、相続人全員が印鑑証明書を提出したとします。今になって、その遺産分割協議書を使用して相続登記申請するときでも、10年前に作成された当時の印鑑証明書により手続きをおこなうことが可能です。
自由が丘税理士法人 重松
被相続人が介護事業所に入居していても小規模宅地等の特例は適用可能か?
2016/10/02
被相続人が老人ホームで最後を迎えられ、あなたが土地の相続をすることになった場合、小規模宅地等の特例を使えるのでしょうか?
さいたま市浦和区のお客様から「小規模宅地の特例は、被相続人である母親が老人ホームに住んでしまって、同居していなかったら利用できないのか?」とご相談されたので、その説明と他に重要な箇所をまとめてみました。
1.被相続人が老人ホームに入っていても小規模宅地等の特例は使える
被相続人が老人ホームに入っている場合でも小規模宅地等の特例は使えますが、どなたが相続人になるかで使える要件は違います。
それぞれの要件を見ていきましょう。
前提条件
① 被相続人が要介護認定または要支援認定を受けている
② 自宅を賃貸していない
【配偶者の場合】
要件なく特例の適用が受けられます。
【被相続人と同居していた親族】
・相続開始から相続税の申告期限までにその建物に居住
・その宅地を申告期限まで保有している
【被相続人と別居していた親族】
・被相続人と相続人が日本国内に住所を有している
(相続人が日本国内に住所がない場合でも、日本国籍を有していればOK)
・被相続人に配偶者および同居の親族がいない
・相続人や配偶者が相続開始前3年以内に、自身(もしくは配偶者)の所有する家屋に居住したことがない
今回のご相談の場合、2次相続を考慮した場合のことなのですが、2次相続時には相続人が被相続人(母)と別居した場合の質問ですが、同居の親族が他にいるので、小規模宅地等の特例は難しそうな気がします。
2.要支援認定の申請中に相続が発生!小規模宅地等の特例をつかえるのか?
被相続人が、要支援認定の申請中であった場合でも小規模宅地等の特例は適用可能です。
これは、さきほど述べた前提条件「① 要介護認定または要支援認定を受けている」に反しているようにみえます。
しかし、市町村が許可する要支援認定は申請日から認定開始が認められています。
相続発生後に要支援認定が認められれば、相続開始前に要支援認定を受けていたとみなされるため小規模宅地等の特例の適用が可能なのです。
3.2世帯住宅に住んでいた被相続人が老人ホームに入っていた場合は小規模宅地等の特例を使えるのか?
2世帯住宅の場合でも小規模宅地等の特例の適用は可能です。
適用条件は、2世帯住宅での要件と同じです。
4.注意!相続前に自宅を“どう使っていたか”で特例が使えなくなることも
被相続人が老人ホームに入居している間、住まれていた自宅を誰が・どう使っていたかによって、小規模宅地等の特例が使えないことがありますので、十分に注意が必要です。パターンに分けてご説明していきます。
小規模宅地等の特例が使える場合
被相続人が居住していた建物を離れて老人ホームに入所したような場合には、一般的には、それに伴い被相続人の生活の拠点も移転したものと考えられます。しかし、個々の事例のなかには、その者の身体上又は精神上の理由により介護を受ける必要があるため、居住していた建物を離れて、老人ホームに入所しているものの、その被相続人は自宅での生活を望んでいるため、いつでも居住できるような自宅の維持管理がなされているケースがあり、このようなケースについては、諸事情を総合勘案すれば、病気治療のため病院に入院した場合と同様な状況にあるものと考えられる場合もありますから、一律に生活の拠点を移転したものとみるのは実情にそぐわない面があります。
そこで、被相続人が、老人ホームに入所したため、相続開始の直前においても、それまで居住していた建物を離れていた場合において、次に掲げる状況が客観的に認められるときには、被相続人が居住していた建物の敷地は、相続開始の直前においてもなお被相続人の居住の用に供されていた宅地等に該当するものとして差し支えないものと考えられます。
(1) 被相続人の身体又は精神上の理由により介護を受ける必要があるため、老人ホームへ入所することとなったものと認められること。
(2) 被相続人がいつでも生活できるようその建物の維持管理が行われていたこと。
(3) 入所後あらたにその建物を他の者の居住の用その他の用に供していた事実がないこと。
(4) その老人ホームは、被相続人が入所するために被相続人又はその親族によって所有権が取得され、あるいは終身利用権が取得されたものでないこと。
②老人ホーム入居前から親族がずっと住んでいる
小規模宅地等の特例を使えるけど減額率が下がる場合
①自宅に親族以外の方が住んでいる場合
老人ホームに入居中、自宅を貸付している場合、特例は使えますが減額率は下がります。
なぜ減額率が下がるかというと、自宅を貸すことは小規模宅地等の特例のなかの貸付事業用宅地にあたるためです。
貸付事業用宅地とは“適正な賃料(世間相場)”で貸し付けていれば、貸付事業用宅地として200㎡まで50%の評価減が可能になる特例です。
特に、いつからかしていなければいけないという貸付期間の制限はありませんが、最低現、相続税の申告期限まで貸し続けている必要があります。
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